きみにこの歌を
このエントリを読んでくれている人がいるとして、その人にわたしがいまから話すことを聞いてほしいと思って書いているわけではなく、
ただわたしはこの感情をどこかに書き留めておかないと、体内でぐるぐると渦をまいて停滞しているままでは、感情の死に際に立ち会えない。それだけのことです。
担当じゃない人間がこの話をするのは、と少し悩みましたが、わたしにとって彼はすごく大事な人だったから、今も大事な人だから、書かせてほしい。書きます。
担当、という定義は、わたしのなかでまだ曖昧にグラデーションを描いたままですが、なんとなく心に決めた人、という概念のもと、ここ3年くらいはぬるくオタクをしています。
その「心に決めた」と思う人以外にも、どうしようもなくわたしのこころが握りしめられてしまう人というのが時折いて、それがわたしにとってのはやしまとりさんというアイドルだったように思います。
どんな人だったか、なんてひとつもわかりません。知り合いでもない。友達でもない。両親や親戚でもない。そして単純なファンとアイドルという関係からもなんとなくふわりと外れていた気もしないでもない。まとりくんは、わたしの自担じゃない。
じゃあなんだったのか。そう問われたら、
まとりくんはただ、わたしの特別な人の特別な人だったように思います。それはきっと今もその限りで、彼がそうならわたしもそうなんて、図々しい言い訳を1ヶ月経ってもたれながしてしまいます。
わたしの特別な人、つまりすえざわせいやさんというアイドルなのですが、少なくともわたしが知る限りは、その人の隣には結構な確率でまとりくんがいたように思います。
まとりくんとすえざわくんは仲が良いのですが、それだから好きというわけではなかったんだと思います。
媚びない信頼関係と、切磋琢磨しお互いを鼓舞し合う競うようにそびえたそのアイドル魂、そしてふたりがそろったときの無双感。たまらなくだいすきでした。
すえざわくんにとって特別な人だ、と一目見ただけでわかって、それはつまりわたしにとっての特別な人だということを示すことを、脳が勝手に受け取っていました。
いつからかわからないけど、すえざわくんのとなりにはまとりくんがいてほしいと願うようになりました。
まとりくんはいつも欲しい言葉をくれたし、わたしがどうしても後ろ向きになりそうなときでも、まとりくんは後ろを向いていないよ、僕を信じてと手を差し伸べてくれました。
仲間が暗闇に迷ったら手を引いてすくいあげるようなひとな気がしていました。
まとりくんは、少し天然だけれど、人一倍やさしくて、機微を察知することのできる、アイドルセンスに優れたひとだったとわたしは思っています。
自担だったわけじゃないから、まとりくんのことを正々堂々好きだったと言っていいのかわかりません。でも、
過去形にするのがいやなくらい、そのくらいまとりくんはわたしにとってだいすきでたまらないアイドルだった。
まとりくんはいつも笑顔だった。前しか向いてなくて
暗闇の中をさまよっていたわたしをこっちへおいでとひかりでつつんでくれるような
わたしにとって大事な人でした。
大事な、大事な、アイドルだった。
ねえ、まとりくん。
まとりくんが、
悲しいって思わないでって
寂しいって思ってねって
そう言うから、今日までずっとね、寂しいって言ってきたよ。かなしいって 言わないようにしてきたよ。
でもやっぱりわたしかなしいよ。まとりくんがいないステージを見るのはつらいよ。
まとりくんがいなくても、すえざわくんには新しい仲間ができたけれど、
わたしは、わたしは、すえざわくんのとなりにはまとりくんがいてほしいよ。
まとりくんの青色だけ、失っちゃったみたいにせかいがくらい。
いやだ。いやだよ、まとりくん。
わたし、もっともっとまとりくんがステージに立つ姿が見たかったよ。まとりくんの歌声が聞きたかった。まとりくんの笑顔が見たかった。もっと、もっと。
わたし、欲張りだからまだ足りないよ。どうしたらいいの。
まとりくんと、この先の景色もっと見たかった。まとりくんのことも応援してるよって
もっと伝えたかったよ。まとりくん。まとりくん。
まとりくん。
だいすきだった。
ちがう
いまもだいすきだよ。だいすき。
だいすきなのになあ。
最後まで優しくて、心配かけまいとしてくれて、きっと迷いも不安もあるだろうに楽しみって言ってくれるまとりくん。
最後までやさしくて、最後までバッチリアイドルなのは、ずるいよ。
わたしね、
アイドルのはやしまとりくんのこと、ずっとずっと信じてここまで来たよ。
アイドルのまとりくんのこと、ずっと信じてたよ。だいすきだよ。
毎日ね、どうしたらいいかわからなくて、
何回もまとりくんとすえざわくんが続けて歌うパートをノイローゼみたいに見てるよ。
後ろ向いてばかりでごめんなさい。まとりくんはそんなの嫌かな。
でもね、まとりくんは、わたしをすくってくれるわたしにとって唯一無二のアイドルだったから、そう簡単に切り替えられないよ。
わたし、関西の泣いてお察しの文化好きじゃないよ。好きじゃないけど、わたしのすきなまとりくんだってみんなに泣いて見送ってほしかったし、わたしも泣いて見送りたかった。さよならしたかった。まとりくんのための涙を流してほしかった。
なんでまとりくんはアイドルとしてさよならしてもらえなかったのかな。なんで?みんなはこれからも会えるから?ちがうよ。わたしたちはもう会えないよ。ステージでアイドルするまとりくんには会えないんだよ。
まとくんのためにも泣いてよって思った。まとくんありがとうって はなれたくないよって泣いてほしかったよ。泣きたかった。もっとちゃんと、用意された場で。
そういう気持ちを救ってくれたのがAぇの単独千秋楽の日のすえざわくんの挨拶だったのかなって少し思います。
アイドルとして幸せにしてあげたかった、って思うけど、
まとりくんはそんなこと言ったらじゅうぶんしあわせだったよって笑ってくれるような気がしちゃうの。
都合のいい妄想かなあ。
このさきもまだまだ、ぜったいに引きずってしまうけど、この世の誰もがまとりくんがアイドルであったことをわすれたって、わたしは覚えているから。
まとりくんがくれたキラキラの時間ときもち、ぜったいにわすれないよ。
はやしまとりくん。
だいすきです。アイドルお疲れ様でした。
今はまだもう少し、 わたしに時間をください。